暑熱地獄

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　ここんところ異常な暑さが続いている。天気予報が開始されたのは、明治１７年（１８８４年）６月１日。東京気象台で毎日３回全国の天気予報が発表されるようになった。以来、現在のように猛暑が続いたことはない。とくに名古屋や岐阜では３７度Ｃ，３８度Ｃといった高温が連日続き、どこのチャンネルを回しても、熱中症関連の報道でにぎわっている。たった一日でも記録的な猛暑だが、それがここ一週間続いている。むろん、天気予報史上こんなことは初めてである。
　しかも、これで驚いてはいけない。天気予報によれば、さらに今後一週間は続くらしい。熱中症搬送者は９～１５日の一週間で９９５６人という信じ難い数を記録している。
　私は６日間続いた、半日以上の外出はきょうはお役ごめんになり、ほっとしている。と言いたいところだが、不思議なことにそうでもない。どういうことかというと、エアコンを２７度Ｃに設定している割に涼しくない。頭がぼうっと熱く、なんとなく、身体がほてって、なかなか休息した気分になれないのだ。
　　　ベランダの窓通し来る灼熱の陽のせいなるか火照る身やまず　　（桐山芳夫）
　　　心配はカネノナルキの枯れ模様十数年も生きてきたるに　　　　（桐山芳夫）
　　　見上げればアンテナ一基炎天に耐えるよりなく屋上の上　　　　（桐山芳夫）
　　　足元にチビうずくまり身動きせず猫のわいもと言うがごとくに　（桐山芳夫）
　こうした歌を詠んで、神経を集中させようとするのだが、なかなか集中出来ない。毎日、毎日外出して炎天にさらすのに身が馴れてしまったのだろうか。これでは、屋内にいても熱中症になる人があると聞くがそうかもしれない、と思えてくる。
　この暑熱地獄、いつまで続くというのだろう。天照大御神（アマテラスオオミカミ）に申し上げたいが、「好い加減にしてよ」である。
.　　　　　　　　　　　　（２０１８年7月２１日）